テクニカルサポートチームのフレームワーク
大阪オフィスからこんにちは、オペレーション部の瀬田です。 我々テクニカルサポートチームの考え方であるテクニカルサポートフレームワークをご紹介します。
はじめに
弊社には、CLPという全社のカルチャーを定義した文書があります。全社員が同じ方向を向くべき方針として明瞭に言語化されており、テクニカルサポートチームもCLPに従って運用しています。ただ、全社的なモットーなのでスコープが広くなっています。そのため、チームとして具体的な行動を考えていく中で、行動指針や目標、具体的な行動を言語化してメンバーの迷いを減らしていこうと考え、定義した文書を作成しました。ついでに、お客様とのコミュニケーションの基礎的なテクニックもまとめて、これをテクニカルサポートフレームワークと命名して運用しています。
どのように使っているか
研修
新しくJOINしたメンバーに研修の一環として必ず一度説明を行います。最も迷いのある入社直後の研修で、カルチャーや考え方の指針を明示的に伝えチームの共有言語を知ってもらうことで、業務への参加をスムーズにします。テクニカルサポートチームは運用改善の機会が多いため、こういった共通言語を持つことで、入社してから日が浅くても議論に参加しやすくなり、コミットメントが高まるといった効果も期待しています。また、テクニカルサポートとしての基礎テクニックもこの段階で伝えます。お客様とのコミュニケーションの方針は上記のカルチャーと不可分であるため、このタイミングで伝えるようにしています。
方向性がぶれた時に立ち戻る先として
分かりやすい例としては障害報告に対する改善の議論があります。1つの障害に対して様々なアプローチを議論していきますが、どの方法論が正しいのか判断 が困難になることがあります。そういった場合の判断の指針として利用することができます。
テクニカルサポートフレームワーク
内容は以下の項目で構成されています。
- 目指すこと
- 考え方
- 業務設計
- チーム
- お客様とのコミュニケーション
一部抜粋してご紹介します。
目指すこと
- お客様のために問題解決、ユーザー体験、お客様ビジネスの成功を目的に思考する。
- 高い技術力により「迅速」に「問題を解決」することに、より高い満足度を生む。
- ゴールを設定して、対応策を考え、検証し、実行し、計測する。
考え方
- お客様の課題だけではなく痛み(カスタマーペイン)に寄り添おう。
- 自分のビジネスを成功させようとしているお客様をリスペクトしよう。
- お客様の自走を促すように、伴走していくことがサポートの役目。
- サービスは改善し続けないと停滞する。AWSや顧客要求の変化に追従しよう。
- 良いサービスのためなら社内をガンガン巻き込んで行こう!
業務設計
- 自動化しよう。人間にしか届けられない価値に注力しよう。
- 計測しよう。データドリブン。
- その業務はお客様のためか?本当に必要か常に考えよう。捨てることを怖がらない。
- サービスとして全体最適であることを考えよう。非効率が効率であることもある。
- 問題を発見したら具体的な対策までドリルダウンしよう。
- 拙速でもお客様に迷惑がかからなければ小さくはじめよう。やってみないとわからない。
- やったら必ずチームでも個人でも振り返る。結果も計測しよう。
チーム
- 一人で重りを抱えない、概要だけでいいから共有しよう。マサカリ上等。
- 多様であることが強み。立場は関係ない、相互のリスペクトと扶助の心を持とう。
- 心理的安全性がチームを加速することを忘れない。遠慮して言わないのではなく、意見が言えることが重要、雑談は業務。
- 許可をとるな、謝罪せよ。
- パブリックで発言すればマサカリはちゃんと飛んでくる。安心して進めよう。
- 各人の能力値はバラバラ。得意なところを伸ばし、チームで全方位に対応できるようにしよう。
お客様とのコミュニケーション
- カスタマーペインを必ず書き、カスタマーペインに必ず回答しよう。(お客様は何に困り、何を知りたいのか)
- 質問を引用して回答しよう。お客様の質問に全て回答することを忘れない。
- YES/NOをはっきりさせて回答しよう。
- 次にお客様が何をする必要があるのか、明確に伝えよう。
- 何かをお客様にお願いするときは理由を書こう。お客様に気持ちよく納得して協力してもらおう。
- 一つの文は3行まで、箇条書きも使おう。読みにくい文書は誤回答と同じ。
- ドキュメントを渡した時は、添付した理由を必ず書こう。
- 文章の内容が明示的に伝わるか常に考える。複数の解釈ができないことが重要。
- お客様が混乱している場合は、私たちから問題整理をしよう。
- ヒアリングはお客様のため、誤解したまま進めるほうがお客様のためにはならない。
- 返信前に文章を読み返そう。声を出すとより良いぞ!
まとめ
まだまだ、内容も不足していますが、少しづつでもアウトプットして人目に触れることでブラッシュアップしていっています。 人対人である限り、カスタマーペインという本質的なエッセンスは変わらない部分もありますが、 お客様やAWSの変化にあわせて、業務を再定義し、我々も変わり続けて行くことで、より満足度の高いサポートを提供できるんだと考えています。
テクニカルサポートチームの雰囲気は伝わりましたでしょうか? 様々なバックグラウンドを持ちつつ、運用マインドを忘れないエンジニア達で皆様のビジネスをサポートさせていただきます!
最後に
テクニカルサポートチームはCLPに共感してくれるエンジニアを募集しています。問い合わせ対応だけではなく、お客様の困りごとを解決する方法を広い視点で一緒に考え続けてみませんか?